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2008年12月18日

CGは実写を凌駕する(のか?)

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 CG(コンピュータ・グラフィックス)が日本のCMに本格的に登場したのは1980年代。CGとCMは、すでに30年もの付き合いがあるわけです。その黎明期は、当時としては新鮮なショックを与えた「ワイヤーフレーム」などの近未来的ビジュアルが、商品の背景に使われるようなことが大半でした。

 そんな中で「事件」だったのは、フジフイルムのビデオカセット=商品自体が、フルCGで作られたことでした。CM映像で最も手間と撮影時間がかかる商品カットも、今後はCGに置き換わるのかと、広告業界では話題になりました。

 それから40年、いま、クルマのCMでは、商品のクルマ自体をCGで作ることに何の抵抗もありません。富士重工業のフォレスターは、サンダーバードの楽曲を使用した「秘密基地」シリーズのほとんどがCGで制作されました。当然、クルマも大部分をCGで制作。日産のCMの最後に数種類のクルマが勢ぞろいする部分もフルCGです。同じくロボットに変身する日産のデュアリスも当然のようにCGでできています。

 クルマをCGにする必然性はどこにあるのでしょうか?

 
 まず、CGと実写の違いに気付く人がほとんどいないほど、クルマはCG化し易いということが挙げられます。3D・CGにするためには設計図が必要ですが、プロダクトであるクルマには、そのための完璧な材料がいくつも揃っています。CGなら発表前で屋外で撮影が出来ない時にも、早い段階から制作が開始でき、本物を目指してより忠実にすることも、またよりカッコ良くいじるということすらできてしまいます。
次に、CGにすれば動きやカメラアングル、写り込み、修正や色の補正・加工などが自在です。つまり、実際にはなかなかできないようなアクションも含めて、作者が頭に思い描いた映像が作れるということ。これは魅力です。

 あの爽快な走りのクルマ、何だ! CGなんて反則じゃないか! そう真面目に怒る人もいるのですが、映像加工が反則なら、CGばかりでなく、デジタル合成や修正で成り立っている現代の映像すべてが反則の対象となってしまいますよね。ちなみに、フォレスターの「氷の湖篇」の爽快な走りのカットは、(よりクオリティの高い“走りの気持ち良さ”を表現したくて)実車で撮影しています。

 さて、万能のようなCGですが、目の表現や豊かな表情、肌の質感描写などが難しい「人間」の場合は、未だに「ホンモノ」に頼るしかありません。CGがまだホンモノを超えられないのです。厳しい人の目に晒される人間のような微妙な表現の分野におけるCG技術は、そんな状況です。

 しかし、近い日のいつか、B-W-Hの3サイズを入力して、顔は○○風、足は◎◎風とすれば、イメージには完璧なCMガールが登場する日が来るかも知れません。結婚もしないし、徹夜もOK。イニシャル・コストしか掛からない。まさに偶像という意味で、完璧なアイドルですが……、万人の支持を集められるかどうかは疑問ですね。モノとヒトの狭間は、思っているより遥かに広いですから。