アーティスト/アートディレクター

清川あさみ

Asami Kiyokawa

1979年生まれ。布や糸を使ったアート作品、衣装、空間、イラストレーションを創作し続けるアーティストとして、そのオリジナルな世界観が様々な分野から注目されている。最近の主な仕事は、キリンアルカリイオン水CMのアートワーク制作、雑誌「流行通信」で連載中の’清川あさみの美女採集’、絵本「人魚姫」を出版。絵本発売記念として2007年7月、PARCOにて原画作品展を開催した。http://asamikiyokawa.com

 糸や布を使ったアート作品、衣装、オブジェ、イラストレーションなど様々な造型物を制作、そのオリジナリティ溢れる世界観で、アートとファッションの分野から注目を集めるアーティストの清川あさみさん。2005年10月、大阪HEP HALLで開催された、清川あさみ展「Color Rooms」には、1週間で4000人を超える来場者があったという。
 一方で、広告や雑誌のエディトリアル、CDジャケットなどのスタイリングやアートディレクション、さらには、美容室の内装まで、幅広く手がけるクリエイターの顔も持つ。

アートは感情的に、広告は冷静に

 学生時代から絵を描いていて、中でも油絵が一番好き。一方で、ファッションも流行もの、コアなものが大好き。何でも知りたがりでリサーチ好きだという清川さん。
 「アート作品は、自分の内面の思いを表現するために、感情的に作っています。それに対して、広告の仕事をする時は、すごく冷静。自分の周囲の人たちにリサーチしまくるし、スタッフの意見も反映させます。
 広告は、カッコイイけれど見る人から離れてしまっているようなクリエイティブではなくて、一般の人に向けて語りかけるような、きちんと機能するものにしたい。広告と人の関係を縮めるようなものにしたいと考えて作っています」。
 手のかかることが大好きで、なんでもとことん、やりたいタイプだという清川さん。仕事には何かと制約がつきもので、割り切りも求められるが、作品展や作品集の出版など、アート制作の場も持っているので、フラストレーションは溜まらないという。仕事と作品づくりの狭間での悩みなどとは無縁に、アートと仕事の間を、軽々と行き来している。
 「仕事でも、とことんやっていると思います。驚いてもらえるとうれしいんです。プレゼンって、毎日個展やってるみたいで楽しいんです(笑)」。
 スズキ ラパンのCMを手掛ける博報堂の石井康裕氏は、「こちらから投げたボールにフルスイングをしてくれる人。清川さんからもどんどんアイデアが出てくるし、CMのコンセプトに沿いながら、しかも予想を上回るようなものを作ってきてくれました」と語る。
 「私の中で、アートと広告の仕事は常にリンクさせていたいものなんです。広告の仕事でも、アートのように後々まで残るようなインパクトのあるものを作りたいし、仕事を通して成長した私を、アート作品の中に出していきたい。私にとっては、どちらも大切なもの、同時に並行してやっていきたいことです」。

人と人とが感じあえる仕事

 油絵などの絵を描くうちに、やがて「布を使って絵を描く」「写真に刺繍をする」といった、独自の手法で作品を作り始めた。
 仕事を始めた頃は、「アーティスト」「女性」「若さ」といった先入観や、作品のイメージからの思い込みが多く、大変だったという。何が本業なのか、と問われることも多かった。しかし、今では“清川あさみ”というキャラクターに仕事を依頼されるようになってきた。
 「私に依頼することで、より面白いものになるだろうと、まるごと任せてもらえる仕事が多くなってきました。本来の自分を引き出してくれる人たちと仕事ができるようになってきたのは、ありがたいです。何かを伝えたいと思ってこの世界にいるのだから、人と人が感じあえるような仕事をしていきたいですね」

(コマーシャル・フォト 2006年02月号掲載)

The Profesional トップへもどる »